2015年07月30日

ものづくりを根本から変える?デジタルファブリケーション

IoTのことを調べていて「デジタルファブリケーション」に興味を持ったので、総務省が公開した『「ファブ社会」の展望に関する検討会の報告書』を参考にしながら、「デジタルファブリケーション」と「ファブ社会」についてまとめました。

「デジタルファブリケーション」と「ファブ社会」について

「デジタルファブリケーション」とは、3DCGなどのデジタルデータを3Dプリンターなどを使って、印刷、造形加工する技術です。

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『「ファブ社会」の展望に関する検討会の報告書』によると、以前から工場や研究所などで、試作開発のために活用されていたのですが、急速に3Dプリンターやセンサ類などの高性能化、低価格化が進んだため、これらの機器が個人にも広がり始め、新たなものづくりをはじめる、消費者でもない生産者でもない「創造的生活者」が誕生しているそうです。
また、これまでの大量生産大量消費のモデルでは、ユーザーが本当にほしい商品・サービスの提供が難しくなっきている中、「創造的生活者」の誕生により、今後、メーカーとユーザーを隔てている垣根は緩やかに崩れ始め、生産、流通、消費の構造が大きく変わるだろうとしています。

3Dプリンター等のデジタルファブリケーション機器を使って、個人レベルで自由なものづくりが行われ、デジタルデータとしてネット上で流通し、販売される社会が到来しつつあり、このような社会を「ファブ社会」と呼んでいます。

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「ファブ社会」、「創造的生活者」と言われても、正直まだイメージがわかないのですが、イスラエルでファッションデザインを学ぶDanit Pelegさんは、卒業制作に、家庭に置けるサイズの3Dプリンターから出力できるファッションコレクションを発表しています。実際には印刷時間が長くかかってしまうなど課題もあるようですが、Danit Pelegさんのような人が創造的生活者の先駆けなのかもしれません。

ダウンロードで買って3Dプリンターで出力するハイテクニット

ファブ社会がもたらす変化

インターネットの登場がここ20年で大きく社会を変えたように、ファブ社会の到来は、今後社会に大きな変化をもたらすだろうと思います。
もちろん、全ての製品が自宅の3Dプリンターから印刷できるなんてことは、SFの世界だと思いますが、3Dプリンターが普及すれば、3Dプリンターで製造できる製品は自宅で印刷するようになり、物流は製品物流から資材物流に変化します。また、販売の中心は「もの」ではなく「データ」になり、個人・コミュニティと企業の製品が混在するようになります。物流の主役がデータになると、海外での販売が容易になるため、ますますグローバリゼーションが加速するはずです。

たとえば、食べ物を出力する3Dプリンターは既に製品化の段階まできています。

まだまだ普及するには時間がかかると思いますが、将来的には、自分で考えたお菓子の3Dレシピデータをネットで販売したり、食糧難で困っている地域に3Dプリンターと食資材を運び、現地で食べ物を印刷したりといったことが可能になってくるでしょう。

時代もここまできた!世界初、"食べ物をプリント"できる3Dプリンター登場

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MakerFaireTokyo2015に行ってきました!

デジタルファブリケーションには、他にももっといろいろな可能性があるはず!ということで、東京ビックサイトで開催されたMakerFaireTokyo2015に行ってきました。

MakerFaireTokyo2015

35度を超える猛暑日でしたが、会場はそんな暑さに負けないくらいのたくさんの人で賑わっていました。公式サイトで、「地上最大の(DIYの)展示発表会」と書いているだけのことはあり、技術愛好家、クラフト作家、農家、科学者、ガレージの機械いじり愛好家など、本当に色々なジャンルのMakerたちが作品を展示していました。

3Dプリンターを間近で見るのは初めてでした。こんなに種類があるんだ?というくらい、いろいろな種類の3Dプリンターが展示されていましたが、やはり印刷時間がかかったり、高性能な3Dプリンターは高価だったり、まだまだこれからの技術だと思います。

そんな中、バーチャワールドさんの世界遺産の3D模型には驚きました。とにかく完成度がすごい。3Dプリンターでここまでできるものなのか!と。どうやって作ってるのか知りたかったので、バーチャワールドさんのWEBサイトを見たところ、どうやらパーツを3Dプリンターで印刷して、着色し組み合わせて作られているようです。本業が模型作りのようで、さすがはプロというところですが、家庭用の3Dプリンターを使って制作しているらしく、3Dプリンターの可能性を感じました。

東京オリンピック参加205カ国のシンボルを製作という企画もおもしろいと思います。やはりというか、展示した模型は速攻完売したようです。

ばーちゃわーるど

3Dプリンターの他にも、3Dペンや、パソコンで制作したグラフィックを壁に貼った紙に印刷する機会などが展示されていました。デジタル情報をリアルなモノに変換する技術はこれからもいろいろ開発されていくと思います。これからどんな技術が開発されて、どんなモノが世の中に出回るのか楽しみです。

多くはなかったのですが、スマートシューズや自転車ビーコンなどのIoTも出展されていました。IoTの分野は実用化に向けての耐久性テスト、基盤の小型化や量産体制などを考えると、技術的、資本的に、やはり個人で開発するのは難しいかなという印象を持ちました。そういった点で、今後日本のメーカーから新しいヒット商品が出てくることに期待です。

少し変わったところだと、野菜を触るとピアルが弾けるというモノ作品があったり、何に使うのか?きのこの山とたけのこの山を仕分ける機会を開発していたり、本当に自由な発想で好きなモノを制作していて楽しそうでした!

アイデアはやはり無からは生まれないわけで、今回MakerFaireTokyo2015に行って、様々な作品を見て、アイデアの種になりそうなモノがいくつか思い浮かびました。

例えば、お土産の分野なんかは、デジタルファブリケーションの技術とアプリを連携させれば、今までよりももっとユーザーの思い出を演出できるような製品がいろいろ開発できると思います。IoTの分野でも、現時点では、まだまっさらな市場と言っても過言ではないので、スマートシューズにしても、他の製品にしても可能性は無限大だと思います。

「完成した作品をきれいに見せるだけではなく」粗削りでもいいから、作品を作って、フィードバックをもらって、ブラッシュアップしていく、そんな作業を続くけていく中で、世の中を変えていくような製品は生まれていくんだろうなと思いました。

その他の作品展示はこちらがよくまとまっています!
火炎放射ロボットからIoTまで...「Maker Faire Tokyo 2015」で出会ったMakeな人、もの

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