2015年10月26日

FAB BASIC PROGRAM

デジタルファブリケーションについて調べてみて面白そうだったので、ファブラボ鎌倉のFAB BASIC PROGRAMを受講してみました。

ファブラボ鎌倉のFAB BASIC PROGRAM

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FAB BASIC PROGRAMは、デジタル工作未経験者やFABの技術を体系的に学びたい、初心者のためのFAB入門プログラムで、レーザーカッターや3Dプリンターなどの電子工作機器の使い方とArduinoを使った回路設計とプログラミングを学び、作品としてキューブ型のファブライトを制作します。

FAB BASIC PROGRAM DAY1

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1日目は、レーザーカッターについて学びました。

ファブラボ鎌倉では、Trotec Speedy 100Rというレーザーカッターを使用しています。レーザーカッターで可能なことは「彫刻」と「カット」です。「彫刻」は木材などの素材に、ロゴなどのデザインをレーザーで掘ることで、「カット」は素材をレーザーで切り抜くことです。レーザーカッターで加工できる素材は、プラスチックや木材はもちろん、アクリルやガラス、レザーや発泡剤などで、塩素を含む素材は、人体に有害な塩素ガスを発生させるため加工できません。

最初にファブライトの外箱を作るために、MakerCaseというWEBサービスを使って箱の展開図を作成し、次にInkscapeを使って、レーザーカッターで加工するためのデータを作成しました。
ファブライトの側面のデザインは、自由にデザインしてOKということで、生徒はそれぞれ思い思いのデザインを制作していました。

展開図のデザインデータができたら、いよいよレーザーカッターの出番です。レーザーカッターでの加工はCorelDrawというソフトを使用します。仕事柄、デザインデータを制作するまでは難しくなかったのですが、CorelDrawを使ってデータの調整をして、レーザーカッターを動かす作業は久しぶりにドキドキしました。

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上の写真が実際にレーザーカッターで彫刻をしている様子です。レーザーカッターでは、タスクを色分けして管理しています。例えば、カットした部分は赤い線、彫刻したい部分は黒く塗りつぶすなどです。できあがったキューブの裏面のパーツに穴が空いているのは、ArduinoのUSBケーブルとバッテリーケーブルを挿すコネクタ用の穴です。

作業工程をわかりやすく教えてもらったことが大きいとは思いますが、レーザーカッターの作業は思っていたよりずっと簡単でした。やはり実際に手を動かしてみると、覚えるのも早いですね。これから、ペーパーカッター、3Dプリンターなども使ってファブライトを完成していくわけですが、せっかく制作するので、いろいろ試しつつ、面白いものを制作できたらと思います。

FAB BASIC PROGRAM DAY2

ファブラボ鎌倉のFAB BASIC PROGRAMは、月に2回、合計6回の、各回は午前中は電子工作機器やソフトの使い方を学ぶ「LEARN」、午後は作品を制作する「MAKE」という構成になっています。

2日目は、ペーパーカッターについて学びました。

ファブラボ鎌倉では、silhouette CAMEOというペーパーカッターを使用しています。ペーパーカッターで可能なことは「カット」「ミシン目カット」「折り目」です。

午前中の 「LEARN」では、練習として紙の箱を作りました。

最初にInkscapeで箱の展開図を作成、Silhouette Studioでカットする箇所は実線に、折り目をつける箇所は点線に、また「BOX」という文字をいれてデータを完成させました。

データが完成したら、ペーパーカッターで紙を加工していきます。ペーパーカッターはカッティングがずれないように粘着質の土台に紙を貼り付けて、インクジェットのプリンタのようにセットする仕組みになっていて、加工が終了したら紙を土台から剥がし、箱に組み立てて完成です。

午後の「MAKE」では課題の制作作業を行いました。

課題用に制作したデザインを使って、ペーパーカッターで折り紙を加工してみたのですが、デザインが細かすぎたのかうまく加工できませんでした。また、土台が粘着質のため、パーツが細かいと剥がしづらいという問題も発生しました。

そこで、同じデザインのデータをレーザーカッターで加工してみたところ、加工自体はうまくいきそうなのですが、レーザーカッターは塵を吸い込むための風が強くて、紙だと浮いてしまうのと、そもそもの設定ミスで外枠を先にカットしてしまい、いろいろとずれて失敗していましました。

失敗した教訓を生かし、下に厚紙を敷いて、マスキングテープで紙素材とレーザーカッターの土台を固定、カットの順番も内側のデザインを最初にカットし、外側の枠を最後にカットするように設定して加工した結果、今度は思い通りの加工ができました。

いろいろと試行錯誤しながらだったので、一つのパーツを作るのに時間がかかってしまいましたが、アナログなモノづくりは新鮮で楽しかったです。

FAB BASIC PROGRAM DAY3

デジタルファブリケーションといえば、3Dプリンター!ということで、いよいよ3Dプリンターの実習です。

3Dプリンターでオブジェクトを出力するためには、3DCADデータをモデリングする必要があります。 ファブラボ鎌倉のFAB BASIC PROGRAMでは、モデリングはAutodeskの123D Design(基本使用無料)を、3DプリンターはMakerBot Replicator 2を使用します。

午前中の 「LEARN」では、123D Designの使い方を覚えるためにLEDライトのキャップをモデリングしました。
123D Designは、3Dの図形を組み合わせてモデリングを行います。視点を変えながら、ミリ単位でのモデリングに最初は苦戦しましたが、慣れるとイラストレーターの3D版のような感覚で、楽しく作業することができました。

そのままLEDライトのキャップを出力してもよかったのですが、せっかくなので、課題用に制作した土台を出力することにしました。

出力したかったのは、課題のキューブ型のファブライトの内部の配線を整理するための、ミニブレッドボードを乗せる土台です。
キューブにきちっと入るように寸法を調整する必要があったので、最初にペーパープロトタイプを制作してから、123D Designでモデリングをしました。

3Dプリンターで出力するためには、123D DesignでSTLという形式に変換して、さらに、MakerBot DesktopでSTLをX3G形式に変換します。MakerBot Desktopは、3Dプリンターで出力するために、出力密度はどうするか、プリンター上のどの位置で出力するかなどの設定を行うことができます。

設定が完了したX3Gファイルをメモリカードで3Dプリンターに接続、3Dプリンターでフィラメントの設置を行えば3Dオブジェクトを出力することができます。

MakerBot Replicator2は積層方式の3Dプリンターで、フィラメントと呼ばれるチューブ型の素材を一度溶かして、モデリングデータどおりに積み重ねていくことでオブジェクトを出力します。出力時間には、5センチ四方の小さなLEDキャップで15分程度、課題用に出力した土台は35分程度でした。

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出力したオブジェクトは、トレーシングペーパーにくっついているのでコテで剥ぎ取ります。これが結構大変な作業でしたが、ミニブレッドボードを乗せてみると良い感じです。

午後の「MAKE」では3Dプリンターで土台を出力したほか、課題用のファブライトのボックスのパーツをアクリル素材と木材からレーザーカッターで切り出す作業を行いました。レーザーカッターでの作業も、細かい設定のミスで、カット用の線が認識されなかったり、出力値の微妙な加減で、カットしきれなかったり、いろいろ試行錯誤しながらの作業でしたが、なんとかデザインパートの作業は終了しました。

FAB BASIC PROGRAM DAY4

ファブラボ鎌倉のFAB BASIC PROGRAMの4日目は、3Dスキャナーを使って自分のミニチュア銅像を制作しました。
ちなみに、講師の駒野さんの全身3Dデータはこちらに公開されています。

午前中の 「LEARN」では、生徒同士お互いを3Dスキャナーでスキャンしました。

ファブラボ鎌倉では、SCENEという3Dスキャナーを使用します。SCENEはポータブルの3Dスキャナーで、スキャナーをノートパソコンに接続して、スキャンされている様子を画面で見ながら、対象物を360度スキャンすることができます。
スキャナーを早く動かしすぎたり、スキャンの中心点が外れたりすると、エラーになりやり直しになります。また、うまくスキャンできてないとその部分は白く抜けてしまいますが、SCENEのドライバソフトで補正することができます。コツをつかめば、半身くらいであれば、30分程度でスキャンは完了します。

午後の「MAKE」では、スキャンしたデータを3Dプリンターで出力しました。

スキャンしたデータは、Meshmixerで修正したり、STLデータに出力して123DDesignで読み込んで加工することもできます。せっかくなので、銅像のように台をつけてみました。

3Dプリンターで出力する際は、顎と鼻がたれてしまわないようにサポートをつけました。ツタンカーメンのようだとつっこまれましたが、カッターナイフでサポートを削り取って完成です。

残りのMAKEの時間では、前回出力したミニブレッドボードを乗せる土台が、実際にファブライトのボックスに入れてみたら改良の余地があったので、再設計し直して出力しなおす作業を行いました。これで、ボックスは完成です。

FAB BASIC PROGRAM DAY5

ファブラボ鎌倉のFAB BASIC PROGRAMもいよいよ残すところもあと2回。5日目は、ArduinoでLチカしました。

午前中の 「LEARN」では、Arduino UNOを使用して砲弾型のLEDを光らせました。

Arduino(アルドゥイーノ)は、プロトタイピングを目的に、電子工作初心者でも簡単に扱えるように開発されたマイコンボードとプログラミング環境です。(Arduino UNOはエントリー用として位置づけられています。)

プロトタイピング(試作)を目的として開発されているので、はんだ付けせずにブレッドボードと呼ばれるボードに、LEDや抵抗、ジャンプワイヤーとArduinoのデジタルI/OピンやGND等を接続して、電子回路を組むことができます。
ソフトウェア開発はC/C++をベースにしたArduino言語を使用してプログラミングしますが、電子工作初心者でもわかりやすいように設計されているので、プログラミングというよりはスクリプティングに近い感覚で、比較的短いプログラムで簡単にハードウェアを制御できるようになっています。

※開発環境のセットアップやLチカの詳しい内容は上記が参考になります。

FAB BASIC PROGRAMも早いもので、次回が最終回です。午後の 「MAKE」では、最終回に発表する課題作品の制作作業を行いました。

写真が完成したケースと、LEDを制御するArduinoと電子回路です。

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